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06 | 2021/07 | 08

EURO2008展望・第4夜 

Group D


◎SPAIN
○RUSSIA
○GREECE
○SWEDEN


※◎=首位通過濃厚、○=2位通過濃厚




「世界的に知られている」という意味でのタレント力、ボールテクニック、国際舞台での経験はスペインが他を圧倒している。フィジカルばかりが幅を利かせる現代フットボールに風穴を開ける存在として、「過去最高」の誉れ高い今回のスペイン代表に夢を託したくなる気持ちも分からなくはない。

確かに、驚異的なスキルを有する4人の創造者――シャビ、イニエスタ、セスク、シルバ――が流動的にポジションを変え、絶妙なハーモニーを奏でる中盤は、ブラジルのそれをも上回る洗練さと有機性を感じさせ、そこにプレミアリーグ移籍で確実に一皮向けたF・トーレスがシンクロする攻撃は、芳醇なワインの香りを想起させるほどに優雅で甘美だ。今大会の予選ではスウェーデンを子供扱いし、その後のテストマッチでもフランス、イタリアを相次ぎ撃破。美しさに力強さをまとい、その輝きはここにきてさらに増しつつある。幸い、怪我人も出ておらず、コンディションは上々。不安材料は皆無に等しい。

とはいえ、ボールゲームにどれほど優れていても、ユーロという大会で主役を張るのは難しい。流麗にパスを回し、一方的に試合を支配するかもしれないが、基本的に高さやパワーで劣るため、そこから先のフィニッシュワークがどうしても限られてしまう。ミドルシュートやコンビネーション、裏へのスルーパスで点が取れればいいが、クロスからのヘディングやパワープレーは期待薄なため、ガチガチのマンマークでゴール前に要塞を築かれてしまうと、途端に攻め倦む可能性がある。

同組に入ったロシア、ギリシャ、スウェーデンがこの弱点を突いてこないはずがない。フィジカルパワーを前面に打ち出してくる彼らの圧力に屈指、スペインが苦渋を味わうことも十分考えられるはずだ。ある意味で最も予想の難しいグループかもしれない。

ただ、その包囲網を突破して3連勝を決めたとすれば、赤と黄色のマジシャン達が歴史を塗り替えるかもしれない。

---------- キリトリ -----------

○スペイン

平均年齢:26.0歳(2位)
平均身長:179.9センチ(16位)
平均体重:74.0キロ(16位)

平均年齢の若さはロシアに次ぎ全体の2番目。身長と体重は最低で、ここからもフィジカルの弱さが窺える。

<基本スタメン>

GK:カシージャス
DF:セルヒオ・ラモス、プジョール、マルチェナ、カプテビラ
MF:イニエスタ、セナ(シャビ・アロンソ)、シャビ、シルバ
FW:ビジャ、F・トーレス

テストマッチの結果から、予選で使っていた4-1-4-1ではなく、4-4-2になる模様。セスクとシャビの同時起用が上手くいかず、結果の良好だったシャビの単独司令塔に踏み切る。ビジャとトーレスの相性は良好で、パワーがあっても鈍重なライバルの裏を狙う。今季、チームの不調に引きずられる格好でパフォーマンスが落ちたプジョールは年齢的な衰えも指摘されており、実力的にワールドクラスとは呼べないマルチェナと組むセンターバックの脆弱さが気がかり。GKは世界で3本の指に入るカシージャスがいて安泰。両サイドバックは非常に攻撃的で、果敢なオーバーラップによって生み出されるゴール数も多い。


○スウェーデン

平均年齢:28.7歳(14位)
平均身長:184.2センチ(6位)
平均体重:81.0キロ(1位)

ベテランと重量級が揃い、パワーに優れる。ラーションの電撃復帰でイブラヒモビッチとの魅惑のコンビが復活。中盤の要であるリンデロートが怪我で半年以上実践から遠のいているのと怪我が治りきっていないイブラヒモビッチの状態は不安材料も、各ポジションの控え選手は遜色ない実力を持っている。精密機械のような機能美も健在で、常に持っている実力の全てを発揮する怖い相手だ。


○ギリシャ

平均年齢:28.7歳(14位)
平均身長:184.5センチ(4位)
平均体重:79.3キロ(6位)

連覇を目指すギリシャは、前評判こそ低いものの、実力は前大会以上かもしれない。直前のハンガリーとのフレンドリーマッチは自慢の堅守に綻びが出て2-3で敗れたものの、2月にはチェコを1-0、3月にはポルトガルを2-1で下した。2001年に就任したレーハーゲル監督の下、長い年月をかけて磨き上げた堅守速攻スタイルはいよいよ完成の域に達し、前線にはアマナティディス、ゲカスといった前大会にいなかった新星も登場。攻守のバランスは劇的に改善されており、再度快進撃を見せたとしても何ら不思議ではない。


○ロシア

平均年齢:25.7歳(1位)
平均身長:182.1センチ(11位)
平均体重:75.8キロ(12位)

イングランドとの同組を潜り抜け、本選に辿り着いたロシアは、ダークホースとして注目を集めている。もちろん、その背景にはヒディンク監督の存在があることは言うまでもない。韓国をW杯でベスト4へ導き、オーストラリアをW杯ベスト8へと押し上げたのは、彼の手腕が超一流であることを示している。相手の急所を射抜く用兵術でゲームの流れを手繰り寄せ、試合中の〝マジック〟でチームを活性化させ、実力以上のモノを引き出す。韓国やオーストラリアに比べてタレントの豊富なロシアを率いる今回は、一層マジックも威力を増すだろう。

エースのアルシャービンが出場停止で2試合出場できず、ゼニトのUEFA杯優勝の立役者でるポグレブニャクが負傷で大会から去ることになったのは痛手も、シチェフ、サエンコ、ジルコフ、トルビンスキ、セムショフ、ビリャレトディノフら攻撃の手駒は十分。攻撃的なフットボールを志向するヒディンクは、「材料のし甲斐がある」と秘策を練っているはず。ゼニトの躍進が示すように、ロシアのタレント力は上向き。国内組が多く、国際的な名声はないが、決勝トーナメント進出を狙える力はある。

---------- キリトリ -----------

○試合予想

スペイン対ロシア

グループリーグで苦戦するのはイタリアだけでなく、スペインもだ。ロシアには、その出鼻を挫ける力がある。先手を奪ったロシアを追いかけ、何とか追い付くという展開になるか。1-1ドロー。

ギリシャ対スウェーデン

怪我人のやりくりに四苦八苦し、フレンドリーマッチで結果の出ないスウェーデンに対し、ギリシャは十全の準備をして臨んでいる。その差が出る。0-1でギリシャ。
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