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06 | 2021/07 | 08

秋という名の結節点 

夏はようやく長い役目を終えて、秋が大地を覆い始めた。

夕空は橙に縁取られ、夜が藍色に染められる淡い季節。月影も、どこかゆらゆらと余韻を残している。

風からは生ぬるさが徐々に失われ、冷ややかさが注入されていく。

夜の演奏会は、蝉から鈴虫へと主役が代わった。木々は少しずつ褪せて、朽ちる準備に取りかかる。

森羅万象の全てが移行する期間。

それが秋のカタチ。

生まれいずる「起」の春、雄々しく茂る「承」の夏、生から死へ「転」じる秋、終「結」という名の創造へ至る冬、連環する四季にあって、あやふやで儚げな秋は、ヒト特有の“感受性”を殊更に刺激する。

こ惑的な月の光に眩み、移ろいやすい秋の空に踊らされ、交錯する「出逢いと別れ」、「希望と絶望」、そして「幸と不幸」の境目を見誤ることなかれ。

其は甘美なれど、所詮は幻想に過ぎぬ。

とかく揺らぎ、傾きやすいのはヒトもまた同じ。

物想う秋に、等しく幸あらんことを──。
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