07 | 2017/08 | 09

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逆襲の「ブルーズ」 

開幕から3連勝で首位。これまで辛酸を舐めさせられ続けてきた宿敵――直接対決ではそれなりに勝っていたが――をも屠(ほふ)り、彼らは見事なスタートダッシュを決めた。オーナーから監督、選手までフルモデルチェンジされた新生マンチェスター・シティの船出は、期待以上に順風満帆の様相を呈している。

昨季、〝お隣〟のマンチェスター・ユナイテッドが圧倒的な強さでリーグ優勝を果たしたのに対し、マンチェスター・シティは同14位という無残な順位でフィニッシュした。「イングランドの未来」とも評されるマイカー・リチャーズをはじめ、同じくイングランド代表・バートン、スウェーデン代表正GK・イサクション、アイルランド代表DF・ダン、そしてミルズ、シンクレア、ヴァッセルといった元イングランド代表選手ら、トップスターこそ不在も質実剛健な戦力を擁しながら、欧州カップ戦の出場権にさえ届かなかった。しかし、その澱んだ流れは、前タイ首相タクシン・チナワット氏のクラブ買収によって劇的に変化する。

莫大な資産を有するタクシンオーナーは、文字通り湯水の如く資金を投下し、イタリアの次世代を担うストライカー・ビアンキ、ブルガリアの神童・ボジノフ、ドゥンガ率いるブラジル代表の中核・エラーノ、サイドを切り裂くブルガリア代表のサイドアタッカー・ペトロフ、元ブラジル代表・ジェオバンニなど、世界各国から優秀な選手を掻き集め始めた。そして、総額100億円以上の彼らを指揮するために招聘した、元イングランド代表監督ズベン・ゴラン・エリクソン。古くはリードホルムに代表されるように、有能な監督を輩出し続けるスウェーデンが、現代に誇る世界的な知将である。

資金力、選手層、そして指揮官。全てのセクションを飛躍的にランクアップさせたマンチェスター・シティが今季、多くのフットボールマニアから熱視線を集めていたのは言うまでもない。何かが起こる予感、それはファンならずとも抱かずにいられなかった。

その予感は的中した。英・プレミアリーグ開幕戦、スターティングメンバーの半数以上を新戦力で固めた「ブルーズ」は、敵地ながらウエスト・ハムを圧倒し、2‐0で快勝。2ゴールを挙げたのは共に新加入のビアンキとジェオバンニだった。続くダービー・カウンティとのホーム開幕戦もスコア以上の内容で1‐0の勝利を収めると、迎えた第3戦、マンチェスター・ユナイテッドとのダービーマッチではレンタル移籍での修行から戻った20歳のGK、カスパー・シュマイケルが獅子奮迅の大活躍。ジェオバンニが叩き込んだ虎の子の1点を守りきり、赤い悪魔を葬り去った。

フットボールマニアなら気付くかもしれないが、このカスパー・シュマイケルの父は元デンマーク代表のピーター・シュマイケル。そう、マンチェスター・ユナイテッドの黄金時代を支えた伝説的なGKだ。その息子がライバルチームのユースで育ち、さらには成長して父の偉業が刻まれたクラブを破る――。連綿と生き続けるフットボールにしか描けない、小説よりも奇なるドラマだ。

3戦を終えて、勝ち点9の単独首位。この状態を誰が想像できたか。

もっとも、たった3試合の結果だけを見て「新時代の到来」を声高に叫ぶのは性急過ぎる。マンチェスター・ユナイテッドはもとより、チェルシー、リバプールなどのメガクラブに伍するにはまだまだ経験値や選手層が足りない感は否めない。未成熟であるが故の脆さ、不振の長期化なども、長いシーズンのどこかで出てくるだろう。現実的な目標は、UEFA杯出場権の獲得になりそうだ。しかし、ポテンシャルは十分にある。トッテナム、アーセナルなど「第二集団」と目されている辺りなら、いきなり喰ってしまってもおかしくない。未知なる魅力、その開花が待ち遠しい。
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