09 | 2017/10 | 11

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伏龍翔ぶも真紅の空に墜つ 

横浜FCの狙いは成功していた。自陣深い位置に4バックと2枚のボランチで堅牢を築き上げ、ワシントンへ集まる「くさび」のボールには2人以上が対応し、丁寧にポストワークを塞ぐ。サイドの攻防はサイドハーフとサイドバックが下がって迎撃し、サイドからエリア内へのクロスボールは常に数的優位を維持することで無効化した。前線には久保1人を残した「まず守備ありき」のカウンター戦術。格上を相手にするために採った高木琢也監督の策は、完璧に機能していた。

実際、持たされる格好になった浦和は、サイドに起点をつくりながらゆっくりとゲームを組み立てるものの、受け手の動きに工夫が足りず、運動量も乏いため、いずれも単発。組織的な崩しは皆無で、結局は高い「個」の力に頼った仕掛けにしか打開策を見出せなくなってしまった。数回、相馬が左サイドを破りチャンスになりかけたが、クロスの質が低く決定機には至らず。これでは堅守を武器にJ2を勝ち上がってきた横浜FCの守備網は破れない。試合前、「前半は0-0でいい。むしろ後半も0-0で構わない」と語った高木監督のプラン通りの展開が、そこには繰り広げられていた。

しかし、たった1つのミスでゲームプランは破綻をきたす。左サイドからのクロスの処理を誤り、横浜FCが痛恨のオウンゴール。浦和に幸運な先制点がもたらされた。

思わぬビハインドを負った横浜FCだが、無理に攻撃へ転じず、「コンディションは近年になくいい」との言葉通りに前線でキレのある動きを見せていた久保へ配球し続けたことが、実を結ぶ。

前半終了間際、右サイドに流れてボールを受けた久保は、中へ僅かに切り込むと、そこから左足を強振。およそ30メートルはあろうかと思われる距離から放たれた「閃光」は、観るもの全ての度肝を抜いて突き刺さった。

迎えた後半は、互いに運動量が落ちた上にリスクをかけて攻めようとする姿勢も見られず、良くも悪くも開幕戦らしい流れとなったが、浦和は試合終盤、クリアミスを拾った永井の巧みなゴールで勝ち越し。前年覇者の体面を辛うじて保った。

勝つには勝った。だが、それだけだ。病巣は大きく根深い。決勝ゴールの永井は「内容も良かった」と言った。本当にそうか。満足げで、どこか誇らしささえ感じさせる青に対し、赤はとても寂しく暗く見えた。勝利者とは思えないほどに──。
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