09 | 2017/10 | 11

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祈りはキミを天へ運ぶか 

別れは、無防備な時にこそ訪れる。

気にはしていた。連絡を絶やしたこともない。

それでも、見送りは叶わなかった。社会を構成するというのは、残酷な現実と向き合うことでもある。

最期には記憶の全てを失い、自らの灯火も明滅を繰り返しながら必死に「今」へとどまろうとしていたが、やがて速度を早め、潰えたという。

刻が終わる。

あっけないくらいに平凡で、だからこそ実感が一向に湧いてこない。

何故だろう。

多くのモノを僕はキミと分かち合い、ぶつかり合い、そのたびに僕らの記録は増えていった。

その道程が滲み、溶け出し、死というゼロに覆われる。

戻らない、時間。

刻まれない、明日生きた証──。

意味を解するには時間がかかりそうだ。



冷たくなったキミの頬を、そっと指でなぞる。

確かに在るのに、もう、いないんだよね──。

魂が抜けて形だけになったカラダは、屍と呼ぶには惜しいほど「生の次元」を保っている。

だから余計に、僕の中は反応を拒絶しているのかもしれない。

携帯電話のキーを滑る指が、どれだけ死との邂逅を描いても、現実(リアル)が遠い。

憤りや悔恨の感情に身を委ねることができずにいて、ただこうして叩くままに文字を吐き出す画面を見据えては、悲しそうな素振りだけを演じている。傍観者の自分の存在を視認しながら。

壊れてしまったのは、キミだけでなく僕もだったのか。

いや、キミは本当の意味で壊れる前に壊れられた。

壊れているのに壊れられない僕は、もうどこへも進めない。

正直、羨ましい。

「羨ましいから──悲しめないのさ」

声は自分の奥からした。

「かもしれない」

「死」という絶対的自由は、時に強烈な劣情を誘う。

魅入られたモノ達の多さが、それを克明に示している。

体感することのできない、空想の麻薬。

僕も、望んでいるのだろうか。

否──。慌ててかぶりを振る。

まやかしの出口へ手をかけるほど、堕ちてはいない。

「『壊れている』という自意識は、直る意志と同義だから──かな」

問いかけの言葉を反芻し、小さく頷いた。

自身へ投影することでしか悲しみの在処を捜せない僕に、やがて救済者が現れるなんておこがましい。

けれど、キミとの過去が在るからこそ、未来のキミと出逢う価値に寄りかかれる。

止まるのは、それからでも良いさ。


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少し真面目な日記を、夜の闇に捧げる。
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