09 | 2017/10 | 11

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挫折が生んだポリバレント 

初めて彼のプレーを観たのは、確かアテネ五輪の予選だったと記憶している。

古くから「海外厨」として厚顔無恥なるJ蔑視に傾注していた私も、愛国心だけは旺盛だったため、代表マッチの放送だけは欠かさず観ていた。

キャプテンの証たる腕章を巻き、彼は愚直に自陣へ迫る「外敵」の排除に努めていたが、テクニック的に見所があるわけでもなく、むしろ「谷間の世代」の中にあっても凡庸さが一層目についた。

実際、彼は五輪のピッチに立つ権利を得ることすら叶わなかった。

しかし、その悔しさが彼を一段上へと引き上げたのも、また確かな真実だろう。

年々前輪駆動性に拍車がかかる所属チームのスタイルも、彼の成長を後押しした。


広大なスペースを豊富な運動量と鋭敏な危機察知能力で埋め、最終防衛ラインに立てば身体を投げ出すことも厭わない。

根っからの「汚れ役」は、超攻撃的なチームにあって欠かせないピースとなった。

そして、チームとのシンクロ率が高まるにつれ、「攻」の才覚も引き出されていく。

中央からサイドまで積極的なフリーランニングで顔を出し、機を見て前線のフォローに飛び込み、絶妙なタイミングで数的優位を創り上げる。気の利いたプレーは、時に堅牢であり、時に進軍拠点となる。


卓越したポリバレント性──。

日本サッカーシーンにおいて流行語となりつつある「マルチな才能・柔軟な対応力」を示す言葉は、今、彼の代名詞だ。

偉大なる戦術家は、彼のようなプレイヤーを讃え、求める。

いつしか、彼はフル代表でも確固たる居場所を築いていた。

フィードの質、足元のテクニック、ミドルレンジからのシュート…向上させるべき課題も多々あるが、「のびしろ」はまだ充分残っているはずだ。

ライバルの多さを緊張感とモチベーションに換え、更なる飛躍を果たして欲しい。

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