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05 | 2019/06 | 07

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【蹴球】4-3-3-の攻防・2【連載】 

バルセロナとチェルシーの質的な違いは、テクニカルを前面に主張するスペインと、スピーディーでフィジカルなイングランドという、国風の縮図と言っても間違いではないだろう。

プレースピードが緩く、互いにテクニックやファンタジーアを発揮し合いながら、ピッチの攻防がじっくりと移り変わるスペインのフットボールに対し、イングランドのそれは縦に速く、クロスボールやロングボールが宙を賑わし、激しい競り合いが至る所で繰り広げられるのが特徴だ。

展開は目を離した隙に一変し、攻守は忙しく入れ替わる。「何より『速さ』の感じられるリーグ」と表現しても良いのかもしれない。

視野が広くボディバランスに優れ、高い戦術眼を持つ中田英寿が――プレミア向きとの評判があったにも関わらず――苦労しているのは、恐らくこの「速さ」のせいであろう。

これまでの「司令塔」というスタイルに慣れすぎてしまい、キープ→コントロール→味方の動きに合わせてスルーパスという、「時間を費やすプレースタイル」が染み付いてしまった彼は、明らかに「浮いた」プレーをしていることが多い。時間の流れがそこだけ違うかのように・・・。

こぞって失格の烙印を押すイングランドのファンやマスコミも、プレー(判断)が遅い点を強調している。プレミアリーグという場所は、典型的なトップ下、ゲームを創るレジスタが輝くには、余りに速過ぎるのかもしれない。

実際、お気づきの方もいるだろうが、プレミアリーグにはクラシカルな10番、つまりトップ下の選手を置くチームがほぼ存在しない(チャールトンのマーフィーをベントの下に据えた4‐5‐1など例外もあるが)。ほとんどのチームがフラットな4‐4‐2を敷き、両サイドハーフにテクニカルな選手か突破力に長けたウイングタイプの選手を起用して、サイドからの侵略を狙う。そしてそれが手詰まりになれば、ロングボールを駆使したパワープレーの連打が始まる。これはプレミアリーグの「定番」と言える。

必然的に、ボールはピッチの上空や左右を行き交うことになり、中央の選手は、この目まぐるしく変化する状況を的確に捉えて「ボールを振る」技術と相手からボールを奪い取る強靭なフィジカルを持たねばならない。もちろん、自ら駆け上がってミドルを叩き込む、エリア内へ侵入してゴールを決めるという資質も求められるだろう。トップ下と呼ばれるポジションとは一線を画す、攻守にダイナミックさが必要なセンターハーフの動きである。

「アーセナルのベンゲルなどの外国人監督によってプレミアリーグはキック&ラッシュから卒業した」と言われるが、確かにアーセナルはパスを繋ぎ高度なコンビネーションから美しいゴールを奪っている。即興性と熟成されたチームケミストリーによる彼らの連動を前に、感嘆を漏らすこともある。

ただ、それはあくまで突出したテクニックを持つ個の集合体が成すことに過ぎず、イングランド内のクラブ全てには――もちろんアーセナルであっても――刻み込まれたチーム戦術の根幹として、なお「キック&ラッシュ」が息づいているように思えてならない。

話が大きく逸れてしまった。しかし、実は全く関係ないことでもない。つまり、チェルシーの4‐3‐3とバルセロナの4‐3‐3の差を一言で表すとすれば、チェルシーのそれにはこれまで述べてきた「プレミアリーグで生きるものとしての特徴が表れている」ということになるからだ。その具体的な特徴について、次回は述べていこうと思う。
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