06 | 2017/07 | 08

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第3回~フィナーレは新たな一歩~ 

ウンターハヒンク日記


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~クリスティアン・シュヴァルツ記者のマッチレビューより一部抜粋~

まだ身体の芯を震えさせ、皮膚を縛り付けるような寒さが残る3月17日。

雨が降りしきる凍てつく日。

ウンターハヒンクはビーレフェルトのホーム、シュコ・アレーナで決戦を迎えた。

勝てば8試合を残して優勝が決まる。

過去に例のない、驚嘆すべきスピードでの3部制圧となる。

その無敗記録は前人未到の27にまで伸びていた。

指揮官が送り出したのは、いつもと同じ11人だった。

陣形も“普段着”の4-4-2。戴冠の懸ったアウェイでの一戦には、「4-2-3-1で慎重にスタートするのではないか」と読む向きもあったが、常に強気な若手監督らしく、開幕前には優勝の本命と目された相手に対しても“攻めの姿勢”を貫いた。

時計の針が14時を通過する。

主審の笛が冷気を切り裂いてスタジアムを駆け抜け、ビーレフェルトの選手がボールを蹴り出す。

シーズンの集大成を見せる時がやって来た。

まず試されたのは守備力だ。

開始直後に右サイドを破られると、正確なクロスがビーレフェルトのFWに飛んでいく。

しかし、これはda Costaが逸早く触り、難を逃れる。

ホームでの“祝勝”を許したくないビーレフェルトの、意地を窺わせる鋭い出足だった。

だが、28分だった。

好調なチームにあってゴール欠乏症に喘いでいた男が沈黙を破る。

BigalkeのアーリークロスにDFの裏へと抜け出したTunjicは、突っ込んできたGKの脇を狙ってシュート。

これがゴールネットを揺らし、先制に成功する。

3部で最強と賞される攻撃陣の活躍で、優勝が近付く。

さらに53分、BigalkeのCKをニアで合わせたのはZiegler。

同シーズンで最終的に6点を挙げるセンターバックの、巧みなヘディングだった。

ウンターハヒンクは、その後もBloudekやNiederlechnerがチャンスを迎えるなど、最後まで攻め切って2-0で完勝。敵地を埋めた真っ赤な仲間とともに凱歌を上げ、6季ぶりの2部昇格という歓喜に浴した。

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~クリスティアン・シュヴァルツ記者の手記より~

まさか、たったの1年で2部へと昇格するとは思ってもみなかった。前評判ほど選手の能力は低くないと見ていたが、「12連勝」、「34試合無敗」、「勝ち点100」と多くのリーグレコードを更新するとは想像だにしなかった。

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最終節で敗れ、無敗記録は34で途絶えることになる

改めて順位表を眺めると、その圧倒的な強さを再確認する。

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僅か2敗、2位に付けた勝ち点差は35にものぼる。82得点、30失点は共に断トツのトップだ。1試合に平均で2点以上を挙げ、失点は1点に満たない。攻守に隙のないチームだった。

チームとしての完璧さに反して、個人成績はそれほど伸びなかった。

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得点王となったBenjamin Förster。チームの総得点の半数近くを挙げている

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アシスト王のMarc Schnatterer。平均レイティングでも1位で、昇格の立役者と言える。11-12シーズンの最優秀選手賞も受賞した

Prokophが得点ランキングで2位、Bigalkeがアシストランキングで4位に入り、平均レイティングでも上位に数人を送り込んだが、トップはSterniskoのパス成功率のみ。やや寂しい結果となった。ただ、これは特定の誰かに依存しない総合力の高さとも言い換えられる。気にする必要はないだろう。

表彰関連では、国内外に名を轟かせた指揮官が最優秀監督賞を手にしたほか、ベスト11に守備ラインから3人が選出された。

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堅守の原動力となったHummmels、Ziegler、Stegmayerが名を連ねた

公の表彰ではないが、サポーターの投票による最優秀選手賞に右サイドバックのSchwablが選ばれたのも、忘れてはならない。

来季は、2部へと返り咲く。3部での驚異的な強さを振り返れば、そして主力の多くを占める20代前半の若手がもっと伸びれば、2部でも十分に戦えるかもしれない。そうすれば1部の背中が、ぼんやりと見えてくる――と夢想するのは、楽観的過ぎるだろうか。そもそもウンターハヒンクは、来季の2部を構成するクラブで最小の予算規模なのだから。さらに、今季は4億円近い赤字を計上してしまった。結果、来季に向けた補強の話は一向に聞こえてこない。街中が優勝に沸き立つ中、暗い影が忍び寄る。

それでも、彼ならば突破口を見出してくれるに違いない。

「経営陣が金策に四苦八苦しているのは事実だよ。こんなことを言うと、また怒られちゃうかな。でも、資金がないならないなりにやり方はある。来季は放映権料が大幅に増えるしね。そもそも、今季のパフォーマンスをベースに、選手達の成長ぶりを加味すれば、2部という言葉を恐れる必要はない。自分も選手達も2部に上がっただけで満足はしていない。目指すべきは1部。そのために、着実に基盤を固めていきたい」

シーズン終了後、ヤツと彼との3人で開いた小ぢんまりとした酒宴。馬鹿話、四方山話に終始した中で、彼の目が“本気”だった瞬間を、鮮明に覚えている。

残留争いでは終わらない――そんな意志と自負が垣間見えた。

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~ある日のフットボール馬鹿達の雑談~

ヤツとの会話の中心は、いつだってフットボールだ。

この日の話題は今季の欧州主要リーグの結末について―。

「今季の結果をどう思う?」

「一言で表せば『異常』だな。各国で、とんでもないクラブが名立たるメガクラブを押し退けたからな」

「個人的な衝撃度でいくと、英プレミアで2位に入ったストーク、伊セリエAで3位に入ったボローニャ、エール・ディビジを制したフローニンヘン、レアル・マドリーを3位に退けて2位を確保したマラガの順だ。いったい全体、ストークには何が起きたんだ?あんなガチムチなチームが2位だなんて、どうかしてるぜ!いつの時代だよ(笑)」

「Crouchの“大爆発”に尽きるだろうな。得点王となった彼の活躍が、大波乱を巻き起こしたんだ。それにしても、ユナイテッドが4位、アーセナルが6位、チェルシーが10位とは・・・。いよいよシティの時代の到来か?これをもって『勢力図が塗り変わる』と言うのは性急だろうが、来季も“普通”に終わるとは思えん」

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「超常現象」とさえ言われた、英プレミアリーグ

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移籍初年度から大活躍のSilva。彼が「シチズンズの時代」を築き上げるのか


「イングランドに比べれば、他国はカオスとまでは言えないな。リーガ・エスパニョーラは、マラガを除いて強豪が上位を占めた。そのマラガも、夏の補強で戦力を大幅に充実させ、チャンピオンズリーグの出場権は射程圏内だった」

「Rondonが得点王、Willianがアシストで2位、Borja Valeroが同じくアシストで4位。守備もリーグ2位と踏ん張った」

「マドリーの失態は、『Ronaldoの不振』で説明がつく。得点もアシストも全く伸ばせなかった」

「Ronaldoはどうしたんだろうな・・・。ベスト5にも入れないとは。悪い女にでも引っ掛かったか?」

「お前じゃあるまいし(苦笑)。単純に怪我が多かったからだろう。どれほどのスーパースターでも、神様ではない。肉体には限界があるのさ」

「Ronaldoが苦しむ一方で、ライバルのMessiは相変わらず凄まじい活躍だったんだな。平均レイティングが8.33ってのは誤植かと思ったぞ」

「得点王に加え、13試合でマン・オブ・ザ・マッチか。どうにも手が付けられんな」

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バルセロナは僅か1敗で2位に勝ち点差16をつけた

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マラガのWillianは今季を沸かせた選手の一人

「イタリアはどう見る?」

「『ミラクル・ボローニャ』か?得点が多いわけでも、失点が少ないわけでも、勝負強かったわけでもない。ただ、気付いたら上から3番目にいた。これこそ奇跡とした言いようがない」

「なにせ、ボローニャの選手は誰一人として個人成績の上位に来ていないからな。監督の采配、選手の団結、それが強さだったんだろう。うちと同じように」

「予算規模は小さいし、CLと掛け持ちできる選手層もない。どう来季を戦うのか。注目したいクラブだな」

「それに比べて、パレルモの情けなさと言ったら・・・。あの面子でどうやったら降格するんだ?監督の責任もだが、真因は癇癪持ちの会長だろう。暴君が君臨し続ける限り、彼らの未来は暗い」

「手厳しいな。まあ、同意だ。来季で言えば、低迷したユベントスとローマの巻き返し戦略が興味深い」

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ミラノ勢がワンツーフィニッシュ

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Maiconは得点やアシストといった数字に出ない部分での貢献が評価された

「インパクトからすれば、エールディビジを初めて制したフローニンヘンの話を先にすべきだったな」

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激戦を制したフローニンヘンは、「負けないチーム」だった。失点、負け数は最少

「確かに。もっとも、ここ数シーズンは常に1桁順位をキープしていて、前季も5位。実力はあった。それでも、タレント揃いのアヤックスやPSV、AZ、トゥエンテを抑えて優勝するとは思わなかった」

「まず失点数が最少という守備の安定。そこに得点、アシストのランキングに複数の選手が入るなど、攻撃陣の好調が重なった。タイトルを獲る時は、全て上手くいくものさ」

「怖いのは主力の引き抜きだな。上位リーグの中堅以上から目を付けられているようだし」

「エールディビジは、選手の流出によってパワーバランスが変わりやすいからな・・・。強豪と言われるクラブは何とか維持できているが」

「フェイエノールトを除いてな。ギリギリの残留を強いられているようでは、『3強』の名が泣くぞ」

「今では『3強』は死語に近いからな・・・。来季もどうなるやら」

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Luuk de Jongが得点王を獲得

「残りは独ブンデスリーガと仏リーグ・アンか」

「マイスターシャーレを掲げるのはバイエルンかドルトムントだと予想していたが、シャルケだったな。連覇を、よりによって絶対に負けたくない相手に阻まれ、ドルトムンターは歯ぎしりしているだろう」

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ルール地方の雄がワンツーを決めた

「ドルトムントは得点が最多、失点と負け数が最少と、数字的には最も強かった。ただ、勝ち切れない試合が多過ぎた。引き分けの1つを勝ちにできていれば連覇だったのだから」

「3位に終わったバイエルンも、引き分けが嵩んだのと失点がやや多かったのがネックになった。守備陣はテコ入れが不可欠だろう」

「上位の顔ぶれは納得かな。ヴォルフスブルクとHSVは、今季も悪い意味で予想通りだった」

「資金力はリーグで上位だし、タレントは豊富なんだが・・・生かし切れていない。体制を抜本的に見直さないとダメだろうな」

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次代の守護神・ter Stegenが最優秀GKに選ばれた ※選手のスタッツを撮り忘れたため、表彰関連を掲載

「リーグ・アンは久しぶりにリヨンが優勝した」

「07-08シーズン以来か。LisandroとGomisという2つの得点源を有していたこと、アシストを量産したBastos、そしてLlorisという素晴らしいGKの存在が、彼らに美酒をもたらした」

「2位のマルセイユは3敗しかしていないし、失点も僅かに28だったが、引き分けの多さに泣いた」

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「負けないマルセイユ」は、「勝てないマルセイユ」でもあった

「オイルマネーで潤うPSGが3位。彼らの負け数もリヨンより少ない。補強に費やせる資金は他を圧倒しており、来季は最後まで優勝争いに身を投じるはずだ」

「あとは、リールの苦戦とモンペリエのまさかの降格を挙げたい。リールもモンペリエも守備が崩壊してしまった。モンペリエもマルセイユと同様、16もあった引き分けが敗因だ」

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ソショーの残留は、平均レイティングでトップとなったMartinのお陰だろう

「そうだ、CLとヨーロッパリーグを忘れていた」

「CLはバルセロナが圧巻の強さでインテルを4-0で撃破し、連覇を達成したな。インテルは枠内シュート1本に抑え込まれ、Sanchezにハットトリックを喰らった」

「ボールポゼッションはインテルが48%、バルセロナが52%とそれほど差はなかったが、アタッキングサードでの質には大きな差があった。事実、バルセロナは枠内シュートを9本も放っている」

「格が違ったと言っても過言ではないだろう」

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前半のロスタイムに失点するまでは耐えたインテルだったが・・・

「逆に、ELは劣勢だったトッテナムがレアル・マドリーから枠内シュート2本で2点を奪う効率性を見せて戴冠した」

「6割近いボールポゼッションを記録し、シュートは倍以上、枠内シュートは3倍、さらに7分にオウンゴールで先制するという幸運にも恵まれたが、マドリーは敗れた。これもフットボールの面白さだな」

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トッテナムの効率性が光る

「これで欧州の主要なトップリーグとCL、ELのプレイバックは終わったな。来季は順当か波乱か。開幕が楽しみだ」

「おいおい、今年はその前に欧州選手権があるぞ。五輪もな。ドイツの出ていない五輪はともかく、欧州選手権は観に行かないのか?」

「お陰さまで今季は稼がせてもらったし、現地に行こうと思っている。ちょろっと原稿でも書けば、小銭くらいは稼げそうだしな(笑)。もちろん、ウンターハヒンクの始動に合わせて帰ってくるが」

「ふむ・・・。よし、欧州選手権には俺が付き添ってやろう。仕事の減るシーズンオフくらいしか休めないからな。旅費は任せたぞ」

「お前、薄給のフリーライターから金を巻き上げる気か?!おいっ、帰り支度するんじゃない!」

何も聞こえていないかのように颯爽と立ち上がり、玄関へ一目散に向かい始めた背中に、ありったけの罵詈雑言を叩きつけたが、ただ片手を挙げ、それをヒラヒラと動かしながら、軽くスキップまで洒落込み、あっという間にヤツは出ていった。後には「バタン」というドアの音だけが虚しく取り残されていた――。


次回へ続く!

---------- キリトリ -----------

<編集後記>

遅くなりましたが、第3回をお届けしました。間隔が空いた分、長さは十分だと思います(長過ぎる)。

瞬く間に11-12シーズンは終わり、あっさりと優勝を成し遂げました。メディア予想もSkyの予想も、まるであてになりませんなw

7月からFM日記を書いていらっしゃる某人物の箱庭でも、ウンターハヒンクは2位で昇格を決めていましたしね。地力が違ったのでしょう。それでも、ここまで独走できるとは思っていなかったので嬉しいですが。

参考までに、基本布陣と選手達の簡単なスタッツを以下に。

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2トップの得点力と、スーパーサブの存在、さらに色々なポジションの選手が点を取れたのが強みでした。セットプレーではCBが、カウンターではサイドアタッカーやSBのJaroschが、多くのゴールをゲット。随分と助けられました。

ローンで獲得した選手も、よく貢献してくれました。金額的に買い取れませんし、来季は恐らく借りられないでしょうが、揃ってウンターハヒンクを好きになってくれたのも嬉しい。

来季は2部です。昇格によって新しいスポンサーが付き、テレビ放映権料も増え、多少は投資もできるでしょう。ただ、選手達へのボーナスで3部の優勝賞金は消し飛んでしまいましたし(7546万円を手に入れ、1億1000万円を払ったw)、財政は真っ赤です。負債総額は4億円近くになってしまいました(汗)。ほとんど補強はできないでしょうね・・・。

ほぼ現有戦力での戦いを強いられそうな12-13シーズン。残留というタスクを達成できるのか、ぜひ見守って下さい。
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コメント

Re: 第3回~フィナーレは新たな一歩~

以前から楽しみに読ませていただいていましたが、初コメです。
3部からの昇格おめでとうございます。しかし圧巻の成績ですね。
このチームなら2部昇格の来季もまた強さを見せてくれるだろうと楽しみです。
なんとかこちらも後に続けるようにがんばらねば。

事後報告になりますが、こちらからリンク貼らせていただきました。
問題があるようでしたら、すぐに対処しますのでご一報ください。

コメントありがとうございます!

>ryoku様

わざわざコメントを頂き、ありがとうございます。

お互いドイツの3部から始めた身として妙な親近感を覚えていますw
(*´ω`*)

うちはチーム力の高さで余裕の昇格でしたが、2部では予算規模が最下位ですからね・・・。タレントはいるので、何とか切り抜けたいものです。

ブログの更新、楽しみにしておりますので、負担にならないペースで続けて下さいね♪

リンクの件は、ありがたいです。こちらも速やかに登録させて頂きます!!

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