4日に開幕したJ2に続き、いよいよ10日にはJ1が開幕する。いよいよ、日本にもフットボールの“熱”が帰ってくるのだ。その前に――すでにJ2は1試合を終えてしまったが――、J1およびJ2の順位予想を公開する。この手の企画は、「幾つ当たるか」よりも「予想するプロセスを楽しむ」のがベスト。昨年に1つしか当てられなかった言い訳に聞こえるかもしれないが、どういう尺度で各クラブの実力を計っているのか、それを少しでも楽しんでもらえれば幸いだ。
<J1>○予想方法昨年は「数値加算予想」を実施した。的中が1という辛酸を舐め、昨年限りでの廃止も考えたが、一方で話を広げるためには十分に役立ったと判断。今年も改善した上で使う。
改めて「数値加算予想」を説明すると、胡散臭い”項目および数値を設定し、それの加算によって順位を決めるというもの。
胡散臭い項目というのは、「昨季順位点」、「継続性」、「補強収支」、「監督力」、「外国人力」、「GKの質」、「ベテラン力」、「若手力」、「選手層」、「完成度」、「成績安定度」、「ACLダメージ」、「暁査定」の13個。暁査定は1~100まで、その他は1~5まで(0.5刻み)で評価している。
昨季順位点は、文字通り昨季の順位に応じてポイントを付けた。継続性は「監督の在任期間」を5段階で評価したもので、5年以上の場合は5、あとは単純に在任期間をそのまま割り振った。補強収支も、字面通り。移籍市場での立ち回りに応じ、査定した。監督力は、筆者の主観。新人監督や国際的には著名でも日本での実績がない外国人監督は低めの数値になっている。
外国人力は、外国人の質と数に依存する。GKの質も、筆者の主観。純粋に「技術」で設定している。ベテラン力は、頼りになるベテランがいるかどうか。日本代表、あるいは元日本代表のベテランがいると評価は高くなる。若手力は、若手の伸びしろ。才能が豊かな若手が多いクラブは高くなっている。
選手層は、怪我人や代表での離脱(フル代表、五輪など)に対応できるだけの“厚み”があるかどうか。完成度は、チームのスタイルがどの程度まで固まっているかを表す。成績安定度は、近年の成績を基にしている。ACLダメージは、選手層やACLでの経験値によって設けた。
暁査定は、筆者の主観による各クラブの戦力値。ある程度、大ざっぱに決めている。
○数値を付ける各クラブに、数値を付ける。

数値の根拠は「ニコ生」で説明したので割愛するが、異論は多々あるかもしれない。
そして、数値順に並べ替える。

採点のトップに立ったのは、名古屋だった。昨季の主力の大半が残った上に、選手層の薄かった右SBとCBを補強。ケネディ以外に実績のある本格派のストライカーがいないのは気掛かりだが、覇権奪回は十分に可能だろう。
2番手は、昨季優勝の柏。名古屋と同様、全体的に一回りレベルアップされており、ACLの負担を最小限に抑えられれば、連覇もありえる。
この2クラブを僅差で追うのがG大阪だ。山口智、高木和、下平、橋本、平井、イ・グノの抜けた穴は、今野や倉田、寺田、パウリーニョらで埋められる。新監督の手腕は未知数ながら、どうやらドラスティックな改革はないようで、これまで培ってきた攻撃の文化は生きている。優勝争いには間違いなく絡んでくる。
4番手は、改革元年の浦和。個人的には1桁順位に入れば上々だと思っているが、数値は予想以上に高くなった。阿倍、槙野、ポポという実力者の上積みがあり、彼らが額面通りに働けば躍進も期待できる。ただ、改革の進捗が遅れれば、再び低迷も。ストライカーの質も心許ない。
そして、大量補強の神戸。野沢、田代、橋本、高木和と経験豊富かつ優秀な選手を取り込み、虎視眈々とACL圏内を窺う。ハイプレス&ショートカウンター以外に戦術がなく融通性に欠ける、新戦力が多くフィットに時間がかかるなどの課題を抱えていても、それ以上にジャンプアップの匂いが漂う。
仙台は、戦力的には昨季が“デキ過ぎ”。守備の安定感、完成されたスタイル、的を射た補強で、上位はキープできそうだが、6番手とした。ACL圏内を捉えるとしたら、新外国人選手の奮闘か―。
今オフの補強ではトップクラスの成果を上げた大宮を7番手に推す。チョ・ヨンチョル、菊地、下平、ブラジルの名門サンパウロのレギュラーだったカルリーニョスら、他のクラブも羨む“釣果”。選手層も厚く、7番手は最低目標だろう。
ここまでが賞金獲得圏内。以下、17位までの理由は割愛させてもらう。
降格予想は、広島、札幌、鳥栖とした。J2から昇格した鳥栖と札幌は、やはりタレントの質と選手層で見劣りする感は否めない。広島は、監督交代と李忠成の移籍、そして若手の伸び悩みが響きそうだ。
もっとも、個人的には予想外の結果。有り体に言えば、「数字を打ち込んでいったら、こうなった」以上の意味はない。
広島、清水、新潟、FC東京、川崎、横浜FM、磐田くらいまで、多くのクラブが残留争いを繰り広げそうだ。
<J2>J2は、メディアの情報を基に個人的な印象で予想した。
1位 京都
2位 徳島
3位 甲府
4位 山形
5位 東京V
6位 千葉自動昇格は京都、徳島、プレーオフの勝ち抜きは東京Vと読む。京都は昨季終盤戦の成熟ぶりを評価。徳島は小林監督の効果と近年の安定度を勝った。
甲府は、かなりリスキーな選出だが、城福監督の就任で良い方向に化けると結論付けた。以下、守備力は維持できている山形、大幅にメンバーが入れ替わった東京V、底力はある千葉の順。今季も混戦と見ているが、最終的には選手や監督の質が高いクラブが上に来るはずだ。
なお、この予想は開幕戦の前に行った。
---------- キリトリ -----------
コメントを頂きましたが、確かに「数値加算方式」の予想だけでは、“言い訳”や“責任逃れ”になってしまいますよね。
そこで、色々と考えた上での予想を加筆しておきます。もちろん、数値加算方式を作成する際のプロセスも生かしていますが、より私の中での各クラブの印象に重きを置いています。
1位 名古屋
2位 柏
3位 G大阪
4位 浦和
5位 仙台
6位 鹿島
7位 神戸
8位 大宮
9位 C大阪
10位 FC東京
11位 新潟
12位 磐田
13位 川崎
14位 横浜FM
15位 広島
16位 清水
17位 札幌
18位 鳥栖細かい説明はしませんが、今のJ1では6位~16位のクラブは全て、主力の怪我や監督の采配ミス、不運な判定などで順位が目まぐるしく変わると思っています。その中で、自分の好みによって順位を設定しましたが、全く自信などありません。欧州の主要リーグを予想する方がよほど簡単で、そういった意味ではJ1・J2の面白さ――先行きの分からなさ――は、世界屈指ではないでしょうか。
スポンサーサイト