08 | 2017/09 | 10

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Jクラブの決算を読み解く・3 

先ごろ公開された2010年度Jクラブ個別情報開示資料を基に、各クラブの経営状況を分析する連載の第3回です。

※参考資料=http://www.j-league.or.jp/release/000/00004106.html

前回は、営業収入の根幹を成す入場料収入と広告料収入のうち、入場料収入について解説しました。続いて、広告料収入の増減を見ていきます。不況の中、大口の広告収入は得づらくなってきていますが、小口を束にする、あるいは新規の開拓などで伸ばしているクラブも少なくありません。

広告料収入が前年を上回ったのは、仙台、山形、柏、FC東京、横浜FM、湘南、新潟、清水、G大阪、C大阪、広島(以上、J1)、東京V、甲府、岐阜、岡山、徳島(以上、J2)の16クラブです。

うち湘南、仙台、C大阪はJ2からJ1への昇格で露出が増え、既存広告主からの広告料の上積みや新規広告主の獲得に繋がりました。

また、東京Vはゼビオとの大型契約で前年の倍近くになりました。異例は柏で、J2に降格したにもかかわらず、2億3500万円も増えている。親会社からの「1年でJ1復帰せよ」というエールであり、厳命でしょう。

広告料収入が前年を上回ったクラブのうち、増加額および増加率のベスト5は、以下のようになります。

○増加額ベスト5

1位 柏 △2億3500万円
2位 仙台 △1億8400万円
3位 東京V △1億3200万円
4位 徳島 △1億200万円
5位 横浜FM △9200万円

○増加率ベスト5

1位 東京 89.8%
2位 岐阜 63.5%
3位 仙台 43.1%
4位 栃木 37.4%
5位 徳島 23.4%

J1昇格や大口スポンサーの獲得などの“特需”がない中、大幅に数字を伸ばした岐阜、栃木、徳島の営業努力は並々ならぬものがあります。増加額で5位に入った横浜FMは、入場料収入と同様、中村俊輔というスター選手の加入が効いています。

なお、広告料収入の最大は大宮の22億8600万円で、最少は水戸の9100万円です。その差、約25倍。海外の主要リーグに比べて、Jリーグはクラブ間の格差が小さいと言われますが、それでもこれだけあります。

広告料収入のベスト5は以下の通りです。

○広告料収入ベスト5

1位 大宮 22億8600万円(営業収入に占める広告収入の割合=69.11%) ▲1億1000万円
2位 浦和 22億4900万円(40.11%) ▲4億7900万円
3位 名古屋 19億9800万円(48.7%) ▲7000万円
3位 柏 19億9800万円(72.8%) △2億3500万円
5位 川崎 18億5600万円(52.43%) △2700万円

昨年のベスト5は浦和、大宮、名古屋、川崎、柏の順で、“顔ぶれ”は変わっていませんが、順位には変動がありました。長く1位に君臨していた浦和が5億円近く減らしたため、大宮が首位に浮上。大幅に上乗せした柏が5位から3位タイになっています。

基本的にフットボールの世界は「金持ちほど強い」とされており、この5クラブはJ1で優勝争いをしてしかるべきですが、名古屋と川崎、柏こそ優勝、5位、J2優勝と“通説”の正しさを証明したものの、大宮は12位、浦和は10位と低迷。資金力を結果に結び付けられませんでした。

他方、2010年度は広告料収入の大幅な減少も目立ちました。

○増加額ワースト5

1位 浦和 ▲4億7900万円
2位 大分 ▲3億6400万円
3位 磐田 ▲1億5000万円
4位 札幌 ▲1億4100万円
5位 広島 ▲1億3300万円

上位5クラブはいずれも1億円以上の減少となっています。特に浦和は5億円近くのマイナス。大物外国人を2人は獲得できそうな金額であり、大きな痛手です。大分も前年の3割近くに広告料が減っており、非常に厳しい資金繰りを余儀なくされました。また、札幌も前年比で25%という大幅な減少です。

広告料の減少は、とりわけ依存率の高いクラブにとっては死活問題となります。広告料が増加していても、あまりに依存率が高まると、減った時に大きな打撃を受けます。広告料依存率は、経営が左右されない程度に抑えることが大切です。

例えば、以下の5クラブは依存率を下げる必要があります。

○広告料依存率ベスト5

1位 柏 72.8%
2位 大宮 67.4%
3位 徳島 63%
4位 京都 62.7%
5位 横浜FC 60.55%

営業収入の6割以上を広告料に頼っていると、その広告主が減額を申し出たり、撤退したりすると、途端に経営が傾いてしまいます。多くても5割未満、可能であれば4割未満に抑えるべきでしょう。

逆に、依存率の低いのが以下の5クラブです。

1位 山形 16.7%
2位 北九州 23.6%
3位 鳥栖 23.8
4位 水戸 24.9%
5位 仙台 27.9%

彼らは広告主に頼らず、クラブの運営ができています。ただ、低過ぎると総収入が伸びなやみ、戦力強化に支障をきたすため、3割程度までは増やしてもいいかもしれません。

<以下、次回に続く>
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コメント

Re: Jクラブの決算を読み解く・3

地域密着、あるいは地域に根差すことを目指しているJリーグ。
しかし、現実は広告料収入に支えられているクラブが少なくありませんね。
依存率が高すぎると、もしもの時が怖いので、記事で書かれているように5割程度までには抑えたいところですが・・・。

逆に依存率が低すぎても問題で、仙台のように入場者収入で稼げるクラブは良いですが、それ以外のクラブは大変です。
J2昇格2年円の北九州はスポンサー獲得の可能性が残されていますが、他の3クラブは厳しそうですね・・・。

できればリスクを分散したい

>どらぐら様

広告料収入は、世界的にも「柱」ですし、どうしてもそれをアテにしてしまいますが、あまりに比率が高すぎると、スポンサーの倒産などによって、いきなり経営が傾いてしまいます。できれば、半分以下に抑えたいというのが経営的なリスクヘッジではないでしょうか。

一方で、低過ぎるのも「体力」が付きませんから、中長期的な展望を描きにくいですよね。ただ、開拓の余地が十分にあるという裏返しでもあるので、営業力の腕の見せ所でしょう。もっとも、この不況下だと、なかなかそうもいかないですかね・・・。

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