09 | 2017/10 | 11

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【修正】脇役から主役へ ナカヤマフェスタの華麗なる転身 

凱旋門賞制覇にあと一歩まで迫ったナカヤマフェスタ。私が初めて見たのは2008年11月22日の東京スポーツ杯2歳Sだった。新馬戦の平凡なタイムと渋い勝ち方――5番手からの先行抜け出しで首差勝利――が嫌われたか、9番人気という低人気。しかし、再び前から5番手の好位置でレースを進めると、直線は33秒8の末脚で、素質馬と評判のブレイクランアウトの猛追を退けた。地味ながらセンスを感じさせる走りと、それに反して安直な名前が、不思議と印象に残った。

地味。同馬には、どうしてもこの言葉がまとわりつく。

なにせ、京成杯の次に陣営が選んだレースは、朝日杯フューチュリティSでもラジオNIKKEI賞でもなく、年明けの京成杯だ。さらにカッコ悪いのは、初めて1番人気に推されたものの、アーリーロブストに逃げ切りを許して惜敗。3戦3勝、重賞2勝という煌びやかな戦績で皐月賞に臨む“理想像”は消失した。余談だが、「中山でナカヤマを買わないでどうする」と彼を“頭”に馬単を厚く買い、ズッコケたのをよく覚えている。

迎えた本番、世間はロジユニヴァース、リーチザクラウン、アンライバルドの“3強”ムード。彼の重賞勝ちを含む3戦2勝2着1回という戦績は立派だったが、華々しい経歴を引っさげてやってきた3強の前では平凡に映った。穴党の一部には注目され、6番人気に支持されたものの、レースは見せ場なく8着に敗れた。

続く東京優駿は、9番人気の低評価を覆して4着に善戦。ただ、馬券圏内でも掲示板ギリギリでもない4着という位置は、これまた印象に残りにくかった。秋初戦のセントライト記念では、先行して後続を凌ぐ久しぶりに“らしい”レースぶりで快勝し、2つめの重賞を手に入れたが、所詮はトライアルレース。しかも、最も菊花賞の成績に直結しにくいセントライト記念だ。そういうニッチなレースを勝つのも彼らしかった。

菊花賞を4番人気で12着に惨敗してしまうのも、必勝を期した中日新聞杯で13着に沈んだのも、彼らしい。上昇気流に乗ったかと思わせて、あっさりと期待を裏切る。ある意味では予想通りの結果だったが、ついぞ主役になれないまま、3歳シーズンは幕を閉じた。

そんな彼に転機が訪れる。4歳の初戦に際し、蛯名正義騎手から柴田善臣騎手への乗り替わりが決まった。国内外で幾つものGⅠを獲得した騎手から、GⅠ騎手ながらどちらかというと平場での活躍が目立つ騎手へのスイッチ。まさに地味×地味のコラボレーションである。

ところが、ウマが合った。メトロポリタンSは、自己最長着差となる2馬身差で完勝。オープン特別とはいえ、鮮やかな復活劇を演じた。

そして宝塚記念。地味な脇役の一人に過ぎなかった彼が、ついに主役へと躍り出る。時計のかかる馬場も味方したか、女傑ブエナビスタやグランプリホース・ドリームジャーニーら日本最強クラスを退けて優勝。GⅠ初制覇を成し遂げた。これまでの先行抜け出しではなく、中段から差し切るという勝ち方も、GⅠホースに相応しい佇まいだった。

人も馬も、才気は成功体験によって磨かれ、やがて開花する。これまでの浮き沈みを糧にして、彼は大輪の花を咲かせた。

トップホースとなった彼に、陣営は夢を託す。1999年10月3日、凱旋門賞で惜しくもモンジューの2着に敗れたエルコンドルパサーの“敵討ち”だ。ナカヤマフェスタの2歳~3歳時の主戦騎手・蛯名正義、管理する二ノ宮敬宇調教師は、過去にエルコンドルパサーを手掛けていた。「いつかリベンジを」。その宿願を叶えるため、彼とスタッフはフランスへと飛んだ。

凱旋門賞の“調整”に選んだのは、エルコンドルパサーが勝ったフォア賞だった。騎手には元パートナーであり、エルコンドルパサーを勝利へと導いた蛯名正義。結果は、逃げたダンカンを捕らえ切れず、2着に終わった。それでも、レース後の陣営は笑顔だった。本番を最高の状態で迎えるため、余裕を残しての出走ながら、不慣れなフランスの芝(深く、まとわりつくため、日本の芝と異なりパワーが求められる)に適応し、見せ場をつくっての2着。手応えは上々だった。

凱旋門賞は20頭中7番人気。フォア賞の内容から、戦前より評価を高めていた。レースは先行集団を視界に捉えながら中団に位置。末脚を溜める。途中、蛯名騎手が腰を落とすほどの不利を受けたが、上手く立て直すと、直線は外から鋭伸。英ダービー馬ワークフォースと併走する形で、一完歩ずつ先頭を窺う。最後はワークフォースとの一騎打ちとなり、火花を散らすような叩き合いが繰り広げられたが、頭差及ばず。11年越しの夢は、またも持ち越しとなった。

だからといって悲嘆に暮れる必要はない。彼は、まだ4歳。半年前には、オープン特別を走っていたのだ。苦労の末、脇役から主役へと出世したら、いつの間にかハリウッドでデビューし、アカデミー賞にノミネートされていた――人間の俳優で言えば、そんな夢心地。本当に実力が付いてくるのは、これからだろう。伸びしろは十分にある。来年にはドバイへの遠征も計画されている。凱旋門賞への再トライも視野に入っているはずだ。そこで頂点に立ち、日本中の競馬ファンが祝祭(=フェスタ)に興じられることを祈って止まない。

---------- キリトリ -----------

フジテレビONE、TWO、NEXTの3つを観られる利点を生かし、ナカヤマフェスタとヴィクトワールピサのレースは凱旋門賞を含めて全てチェックしました。後者は残念な結果に終わりましたが、前者は期待以上の成績を残してくれて、久しぶりに競馬で熱くなりました。その想いを、稚拙ながら書き記させて頂きました。

なお、凱旋門賞の動画は以下に。

http://www.youtube.com/watch?v=jn58KtYT8wk
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