セレッソ大阪は11日、香川真司が7月1日付でドイツ・ブンデスリーガのドルトムントに移籍すると発表した。契約期間や移籍金は明らかになっていない。香川は「ドルトムント側が今シーズンのJリーグの試合を観に来てくれたり、監督がすごく来て欲しいと言っていると聞いた。そういう意味ですごく誠意を感じたので、自分自身も欧州に行きたいという強い思いがあった。それが決め手になった。期待というか、楽しみが大きい。昔からの夢が叶った」とコメント。新たな挑戦を喜んだ。ドルトムントはリーグ優勝6回、UEFAチャンピオンズリーグ優勝1回を誇る、ドイツ屈指の名門。100周年を迎えた2009-10シーズンは5位で終え、ヨーロッパリーグの出場権を手にしている。

ドルトムントは1909年に創設。情熱溢れるサポーターを多く抱え、ホームゲームでの平均入場者数は世界トップクラスの約7万5000人。チャンピオンズリーグ優勝後は、主力選手の高齢化やクラブの経営難もあって一時的に低迷するが、ユース組織への投資やスタジアムの命名権売却など必死の再建策が実り、徐々に成績は上向いている。
チームを率いるのは、昨夏に就任したユルゲン・クロップ。「戦術マスター」の異名通り、攻守のバランスに長け、連動性に溢れた好チームをつくり上げた。また、モチベーターとしての才能も併せ持ち、彼の下で再生したベテランや急成長した若手は多い。
<ドルトムントの主力選手>・Roman Weidenfeller
絶対的な守護神。ブンデスリーガでも屈指の実力者だ。
・Neven Subotic
クロップ監督の“愛弟子”。昨季は1部初挑戦ながら、素晴らしいパフォーマンスを披露した。
・Dede
クラブ在籍12年の“象徴”。近年は怪我に祟られていたが、今季は持ち前の躍動感が戻った。
・Sebastian Kehl
怪我がちだが、万全ならリーグ屈指の守備的MF。チームのキャプテン。
・Nuri Sahin
ようやく豊かな素質が開花した、元神童。組み立てから崩しまでを担う。
・Tamas Hajnal
スルーパスとミドルシュートに定評のある司令塔。
・Lucas Barrios
今季の得点ランキングでは3位。チームの得点源。パラグアイに帰化し、W杯の代表候補に選出された。
ほかにも、
Mats Hummels、Patrick Owomoyela、Jakub Blaszcykowski、Sven Bender、Mohamed Zidan、Nelson Valdez、Kevin Grosskreutzらがいる。素質豊かな若手が多く、今後数年に亘り上昇曲線を描くはずだ。
基本フォーメーションは中盤をダイヤモンド型にした4-4-2、あるいは4-2-3-1で、香川はトップ下か2列目でのレギュラー争いとなる。昨夏の補強で選手層は厚くなっているが、来季はヨーロッパリーグとの掛け持ちになるだけに、出番は十分にある。そこで結果を残せば、一年目にしてポジション確保も夢ではない。今季のドルトムントのスタイルを見る限りでは、香川のプレーは合いそうだが。
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