08 | 2017/09 | 10

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デ・ラ・レッド解雇騒動に見る、スペインマスコミの無知と無恥 

スペイン国内だけでなく日本でも多くのスポーツマスコミが報じ、議論を巻き起こしたデ・ラ・レッドのレアル・マドリー解雇通告騒動(注)。しかし、この引用元となった「マルカ」紙の記事が全くの事実誤認、日本風に言えば“嘘八百”だったのである。そしてさらに問題なのは、件(くだん)の報道が誤りで、真実が別にあることを、大半のマスコミが明らかにしていない点だ。特ダネや最新の情報を集めることばかりに執心し、事実確認や“後追い”を怠る国内外のマスコミに、レアル・マドリーとデ・ラ・レッドの関係が歪められている。

※以下、フットボリスタ2月3日号内、木村浩嗣氏のコラムを引用しつつ解説する。

まず、マルカ紙の報じた内容は以下の通りだった。

【マルカ紙の報じた内容】

・レアル・マドリーは契約解除のために障害者認定の手続きを行う。

・認定が通るとデ・ラ・レッドのプロ選手ライセンスは取り消しとなり、選手復帰の道が断たれる。

・さらにレアル・マドリーは労災認定取り消しも申請中で、残り契約期間中(2012年まで)の年俸を支払わず、約20万円の障害者年金だけにしてしまう魂胆だ。

上の内容だけを読むと、レアル・マドリーの非情さに怒りすら覚える。しかし、全てはデタラメだった。

【木村氏の指摘】

障害者として認定するかどうかを判断するのは、社会保険庁の提携公的機関でありレアル・マドリーではない。しかも、その手続が始められたのもレアル・マドリーが要請したからではない。

また、社会保険法によると、デ・ラ・レッドが休業給付(休職中の給与補償。サラリーの75%)を受け取れるのは通常の12カ月間、最大18カ月であり、期間満了時に社会保険庁は1病気が治った、2治る可能性がある(→休業給付機関をさらに6カ月間延長)、3治る見込みがない(→障害者として認定。休業給付から障害者年金に切り替え)のいずれかの判断を下さなければならない。

以上のプロセスと判断を、雇用主であるレアル・マドリーは拒否できない。つまり、「レアル・マドリーが・・・手続き開始」は二重の大嘘なのだ。

もっとデタラメなのが、「労災認定取り消し申請中」のくだり。プレー中の事故をどんな理屈で「業務外」と強弁するつもりなのか?たとえ持病だったとしても、社会保険庁には「業務によって悪化した場合は労災」との旨が明記されている。

しかもだ。労災だからこそ、デ・ラ・レッドのサラリーの大部分は国庫が負担している(注2)。それを今更取り消すメリットがどこにある?「業務外」と言い張り選手を切り捨てる悪印象が、小金(解雇後の2年分の年俸は節約できるが、18カ月分の休業給付は返還)と引き換えでは割に合わない。

「障害者認定によりプロライセンス喪失」も嘘。プロライセンスとは連盟に提出する毎年更新のプロ選手登録のこと。休職が決定した15カ月前、遅くとも昨年8月末の時点で喪失済みだ。

(中略)

デ・ラ・レッドが引退の危機に瀕しているのは事実だ。13人の専門医を回っても復帰の目処が立っていない彼に、今年4月、社会保険庁が「障害者認定」をする可能性はある。そしてこれは契約書の内容次第だが、認定を契機に解雇の動きが出てくるかもしれない。レアル・マドリーが非情であろうとなかろうと、解約条件に「障害者認定」がもし含まれていれば避けられない事態だ。

悲劇は続いている。休職中にあえて入籍したデ・ラ・レッドのファイトも、15カ月を費やしても原因さえ明らかにならない病の前に、挫けつつあるように見える。最近は病院の扉も叩いていないという。

注=スペインの「マルカ」紙は1月14日、「2008年10月30日に行われたコパ・デルレイのレアル・ユニオン戦で突如意識を失って以降、復帰の目処が立たないデ・ラ・レッドを、レアル・マドリーが解雇通告を出し、障害者手続きを開始する」と報じた。

注2=デ・ラ・レッドは2008年11月に就労不能宣言を出し、社会保険の適用対象に。プロ選手ライセンスを失った。それ以降、最大18カ月の一時的就労不能期間終了の2010年4月まで、サラリーの75%を受け取る。支払いは国庫負担が75%、レアル・マドリー負担が25%。

---------- キリトリ -----------

デ・ラ・レッドが何故、ピッチで突然倒れたのか。諸説報じられているが、未だに特定できていない。ユーロ2008のギリシャ戦のゴールで“弾け”、その後に迎えた08-09シーズンでレギュラーポジションを掴み、急速に光度を増しつつあった彼の輝きが、このまま消えてしまうのは悲し過ぎる。誤報で傷付けられた名誉の回復とともに、彼の快癒を願わずにはいられない。
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コメント

Re: デ・ラ・レッド解雇騒動に見る、スペインマスコミの無知と無恥

事実と異なる報道によって、クラブと選手の関係が悪化しまうのは不幸ですね。
しかも「報道しっぱなし」で、訂正もないとは・・・。

デラレの完全復活と共に、こういったいい加減な報道がなくなることを願っています。

Re: デ・ラ・レッド解雇騒動に見る、スペインマスコミの無知と無恥

スペイン紙はその後もマルカと同じように、完全復帰ができない流れを危惧してますよ。
木村氏の意見もほかのメディアとおなじ一意見にすぎません。
マルカが嘘八百と叩く事で刺激的にあつかってる部分もあります。
現実的にレアル側がそれを嘘だと言うのであれば、公的にデラレッドに年俸は全額保証するから心配するなと言えばいいだけの話であり、デラレッド側がマルカは嘘ですと言えばいいだけの話、どちらもなされていないということはこの先その可能性が強くなるということです。
木村氏を信じるも、マルカを鵜呑みにするも同じ穴のむじなですよ。

象徴的な例

>どらぐら様

日本のメディアは海外からの情報を鵜呑みにして、きちんと確認せずに垂れ流してしまいがちです。今回はその最たる例だったので、取り上げてみました。海外のメディアの信憑性を見極めなければならない――という意味で書きました。誤読された方もいて残念ですが…。

とまれ、デ・ラ・レッドがピッチに戻れる日が来るを待ち望むばかりです。

そこは本旨でありません

>名無し様

まずは、名無しの方に対しては厳しい言い方になってしまうことを容赦下さい。

さて、コメントを読みますと、私が言いたかったことをきちんと理解されていないようです。

冒頭にあるように、日本のマスコミがいかに海外のソースに頼りきりで、きちんとした事実確認をしていないか、さらに現地マスコミの報道も間違えるということが、記事の趣旨です。

だからこそマルカ紙の要旨を明らかにした上で、木村氏の“訂正”を引用しました。

デ・ラ・レッドの実情がどうであるか、その後にどう報じられているかは、関係ありません。なぜなら、「現地マスコミの報道を鵜呑みにして流用すると痛い目&恥ずかしい目に合うよ」という警鐘なのですから。

ただ、私の書き方が、プロにあるまじき分かりにくさだったのかもしれません。それについては反省しております。

Re: デ・ラ・レッド解雇騒動に見る、スペインマスコミの無知と無恥

上記の名無しです。
あなたがおっしゃりたいことは理解しますが、
日本のマスコミのいい加減さをこの記事で指摘しようとするのは無理があると思いますが。

まず、そのいい加減な取り上げ方をしたという、マスコミのソースを取り上げていない事、
次にあなたは木村氏のその記事がどこまで正しくどこが不正確なのかを確認する術がない事です。
以上の点をおいて、木村氏の記事を鵜呑みにせずこの記事は成立しないからです。

>日本のマスコミがいかに海外のソースに頼りきりで
とおっしゃいますように、確かに日本のマスコミは海外のソースに頼り切りなのかもしれませんが、
あなたは、ソース元を確認することもなく、木村氏の記事をまるまる頼っているのではないでしょうか。
そのような事もふまえた上でコメントしました。


わざわざありがとうございます

>no nombre様

わざわざ名乗り出た上でのさらなるコメント、ありがとうございます。

誤報を流用したメディアについてですが、確かに具体的な記述をしていませんでした。私が読んでいるサン●ポをはじめ、幾つかのスポーツ紙が報じていたわけですが、その例示なしに書くというのは問題ですね。

ただし、木村氏の記事が正しくないか正しいかを確認する術がない=反証が成立しないという点においては、首を傾げてしまいます。反証というのは、一つの純然たる事象について2つの相反する論がある場合、片方を否定する根拠を見出せれば成立するはずです。それは真偽や正誤とは別の部分になります。木村氏の指摘を、くだんのマルカ紙の反証のために用いたことに何らおかしな点はありません。木村氏の指摘もまた誤りであれば、またそれを反証するための素材を持ち出せばいいわけで。

なお、私自身がスペインの労働法の社会保険給付の項目(http://www.jil.go.jp/jil/kouen/kokusai/pdf/spain.pdf)を確認しましたし、プロライセンスの登録云々については、同国で指導者を務める氏の指摘を疑うに値すべき特定の理由はないと判断しております。

つらつらと書きましたが、この件についてはお互いに論点や解釈が異なり、今後も平行線を辿ると思われます。お互いにとって無益ですし、終わりとさせて下さい。ご指摘の理由、それに至った私自身の不備については十分に理解致しましたので。最後に、再度のコメントにつき、改めてお礼を申し上げます。

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