古い話で恐縮だが、エバートンがマンチェスター・シティを2-0で破った試合(1月17日)で、特に目を惹いたのがエヴァートンのMF
マルアン・フェライーニ のパフォーマンスだった。
194センチの長身と屈強さを生かし、前線でエバートンの制空権を確保するとともに、“地上”でボールを受ければ柔らかい足捌きを披露。アタッキングサードで待ち受けるサハや両サイドのドノバンとピーナールへ的確に繋ぎ、時には自ら1人、2人と軽やかに交わしてシュートを放つ。長身選手=鈍重、あるいは長身選手=不器用という固定観念をブチ壊す、流麗な身のこなしだ。
攻撃だけでなく、守備でも奮闘。ピンチとあらば自陣のペナルティーエリア付近まで駆け戻り、激しい寄せとタックルでボールを奪う。攻守両面における存在感と、それを可能にさせる無尽蔵のスタミナ。まさしく「Box to Box Midfielder」の理想像と呼ぶに相応しい。チェルシーのランパード、リバプールのジェラードにも匹敵する、イングランド・プレミアリーグ屈指のセントラルミッドフィルダーだろう。
2006年、ベルギーの名門スタンダール・リエージュとプロ契約したフェライーニは、若干17歳ですぐさまポジションを確保。2年間で84試合に出場して11ゴールを挙げ、クラブが優勝した2007-08シーズンには、「Belgian Ebony Shoe」(ベルギー・ジュピラー・リーグで最も優秀なアフリカ人およびアフリカ系選手に与えられる賞)にも選出された。
2008年8月には、ベルギー人選手の違約金としては最高額となる(現在も破られていない)1850万ユーロ(当時のレートで約29億円)でエバートンへ移籍。「外国人が慣れるには時間がかかる」とされるイングランド・プレミアリーグにも難なく適応し――しかも、怪我で全FWが離脱したのを機にセカンド・トップのポジションも開拓した――30試合で8ゴールという目覚しい好成績を残した。
また、一度見たら忘れられないであろう巨大なアフロヘアがトレードマークで、この破天荒な髪型に愛着を持つファンも多い。実際、ホームゲームではアフロのウイッグを身に付けた老若男女がスタンドのあちらこちらで見られる。もはや、いちプレイヤーとしての枠を超えた「カルトヒーロー」だ。
まだ22歳で、伸びしろは大いにある。末はルート・グーリットかフランク・ライカールトか。ベルギー国民は、鳴りを潜める“赤い悪魔”の復活が、彼の手によって成し遂げられると信じている。
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FM2010の10.2パッチにおける能力値は以下の通り。
FM2009から高く評価されていたが、さらに上方修正された感がある。
既に広く知られている選手であり、改めて取り上げる必要があるか迷ったが、実際に試合中継を観てインパクトを受けたため、敢えて深掘りしてみた。今後も、折に触れて同様の企画を実施していくつもりだ。
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先日、リーガ・エスパニョーラの抱える膨大な赤字について紹介したが、フランスのフットボールリーグも厳しい状況に追い込まれている。リーグ・アンとリーグ・ドゥは先ごろ、2008-09シーズンに約43億5500万円の赤字を計上したと発表。40クラブ中18クラブが赤字だという。これを「まだ半数」と見るか「半数も」と見るか。フランスのフットボールリーグでは、選手達がストライキをちらつかせ、報酬アップを訴える騒動が相次いでいるが、もはやその要求に応えられるだけの資金を持っていないのは明らか。今こそ、経営陣と選手が“痛み”を分かち合い、新しい年俸体系を構築すべきだろう。
※以下、サーチナより。
フランスのプロサッカーリーグの1部リーグと2部リーグが、2008~09年シーズンで3350万ユーロ(約43億5500万円)の赤字を計上したことが22日、発表された。合計40あるクラブの中で、18のクラブが赤字になったという。
フランスの経済情報サイト「L Expansion」は、このニュースを取り上げ「フランス経済監査機関(DNCG)の調査によると、損失額が最大であったのは、2部リーグRCランスの1358万ユーロ(約17億6540万円)、続いて2部リーグのFCメスの815万ユーロ(約10億5950万円)。1部リーグではAJオセールの770万ユーロ(約10億100万円)だった」と報じている。
また「1部リーグよりも2部リーグの方が深刻な状況。2部リーグ全体では1886万ユーロ(約24億5180万円)の赤字で、チケット販売額が施設開設費などの支出の上昇に追いつかなかったことが、大きな理由だという。また現時点での各クラブの状況から判断すると、今シーズンは損失額がより大きくなるとの見通し」と伝えている。
この記事に対しては「選手の年俸が高すぎて、赤字となったことは明らか。専門性が高い職業ではあるが、一般常識からかけ離れた特別な相場を設けることは、許容できない」など、主に選手の年俸が高すぎる風潮を批判したコメントが寄せられている。
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ここからは雑談です。
森本が久々にゴールを決めましたが、あれはシュートよりも、その前のプレーが見事でした。
マーカーを手で外に引っ張り、バランスを崩しておいて中にスペースをつくり、そこへ一気に加速して突っ込む。クロスが絶妙だったこともあり、完璧なゴールとなりました。
あのマーカーの外し方は、セリエAのFWによく見られる動きで、「森本は“イタリア産”なんだな」と改めて思いました。
相変わらず1対1を決められず、結果として長くゴール欠乏症に喘いでいましたが、待望の1点で余計な力が入らなくなれば、5点目も決して遠くはないはずです。
最後に。
凶弾に倒れたサルバドール・カバニャス選手の快癒を心から祈っております。
一命は取り留めたようですが・・・まだまだ予断を許さないとのこと。
犯人が捕まったのが、せめてもの慰めになりました。
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