07 | 2017/08 | 09

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コッリーナが担うイタリア審判団の未来 

※フットボリスタ11月19日号「CALCIOおもてうら」より

イタリアの審判レベルがおしなべて高い背景には、少なくとも2つの理由がある。1つは、世論(マスコミ、サポーター)が審判に対して非常に厳しく、判定ミスをあげつらって論争を起こすため、常に厳しいプレッシャーの下でジャッジすることを強いられ、自ずと鍛えられる環境にあること。もう1つは、そうした高い要求水準に応えるため、セリエA、Bをジャッジする審判には事実上プロと言っていいほどの待遇が用意されていることだ。


こと審判のレベルに関しては、イタリアは間違いなく世界指折りである。90年代から00年代前半にかけては、ピエルルイジ・コッリーナという世界最高の主審を擁していたし、現在もEURO2008で開幕戦と決勝の笛を吹いたロベルト・ロゼッティがいる。

いずれもレフェリングは「警官タイプ」(上から押さえ付けることで従わせようというタイプ)ではなく「教師タイプ」(選手とのコミュニケーションを重視するタイプ)。対話を重視し、コミュニケーションを通して試合を円滑に運びながら、決して譲らぬ厳格さをもって選手からのリスペクトを勝ち取るゲームマネジメントには、しばしば感心させられる。ロゼッティに続く若手の国際主審にも、ニコラ・リッツォーリ、ジャンルカ・ロッキなど「タレント」には事欠かない。

イタリアは審判のセミプロ化に最も早く踏み切った国である。既に1999年から、セリエA、Bの審判(40人弱)は、毎週木曜日にフィレンツェ近郊のコベルチャーノにあるサッカー協会のテクニカルセンターに集まり、2日間の研修とトレーニングを受けて試合に臨むことが義務付けられている。イタリア各地からの移動も含めれば、拘束は実質4日間に上る。

もちろん、審判としての報酬もそれに相応しい水準が保証されている。年俸(固定給部分)が国際主審で手取り約560万円、さらにセリエA1試合ごとに約28万円の「出場給」がつく。セリエBはその半分。年間20~25試合をジャッジすれば、年間の手取り収入は約980万円を超える勘定である。

負担、報酬ともにここまでプロに近い審判制度を持っている国は、他にはほとんどないのではないだろうか。その反面、このレベルで審判を務めるとなれば、フルタイムの仕事を持つことは事実上不可能だ。実際ほとんどの審判は、ある程度時間が自由になる各種自営業(投資コンサルタント、弁護士、建築家、保険代理業、商店経営など)を本業としている。

さて、毎週木曜日の夜にコベルチャーノに集まった審判団は、昨シーズンからセリエA、Bの審判統括責任者に就任したピエルルイジ・コッリーナの下で、金曜日から土曜日の午前中まで1日半にわたって、みっちりと研修・トレーニングを受けてから試合に臨む。その内容は、フィジカル、テクニカルの両面をカバーする、非常に充実したものだ。

フィジカルに関しては、コンディションをチェックするための体力テストを毎週行い、それに基づいて個人別に最適化されたトレーニングメニューが準備される。週末の試合に関しても、審判が走った軌跡、スピードから走行距離、ボールとの位置関係まで、全ての情報がデジタル化されてモニター化されており、試合ごとのパフォーマンスの良し悪しが完全に把握できる仕組みになっている。もちろん、その結果もトレーニングメニューに反映される。そのコンディション管理のレベルはセリエAのトップチームと比べても全く遜色がない。

テクニカルな側面については、毎週金曜日午後に行われるミーティングで、前週の試合の中で問題になった微妙な判定や注意すべきシチュエーションを取り上げてチェックし、技術的な問題点の修正や判定基準の確認・徹底が行われる。ミーティングで取り上げられる内容は判定そのものだけでなく、選手や監督に対する振る舞いから、各チームの戦術研究(次のプレーを予測し、最適なポジショニングを取るための予備知識として重要)にまで及んでいる。ミーティングの後はピッチ上でチェックポイントを再現して実地の技術指導が行われる。

コッリーナは言う。

「トップレベルの審判は、あらゆる観点から見てフットボールのエキスパートであり、真のアスリートでなければならない。常に試合の流れよりも一歩先を見て、次に何が起こり得るかを予想し、プレーが展開するスピードに贈れずに動き続けなければならないからだ。それを可能にするためには、考えられる限りの準備をした上で試合に臨む必要がある。そのために全力を尽くすのが私の仕事だ」

コッリーナが審判統括責任者に就任したのは2007年3月。06年夏に起こったカルチョ・スキャンダルによって、当時の統括責任者2人(パオロ・ベルガモとピエルルイジ・パイレット)を筆頭に、マッシモ・デ・サンティス、ジャンルカ・パパレスタなど主要な国際主審の何人かがルチャーノ・モッジ(当時ユベントスGM)の影響下にあったことが明らかになり、彼らを排除した上で審判部門全体の立て直しと信頼回復を図る、その切り札として起用されたという経緯がある。現在のセリエA、B審判団は平均年齢35歳と歴代で最も若いグループだが、現役審判時代と変わらぬ完全主義者ぶりを発揮するコッリーナの徹底した指導によって、急速にレベルアップしつつある。セリエAを観戦する時には、審判のレフェリングにも注目してみて欲しい。

---------- キリトリ -----------

審判のジャッジが時に秘匿され、検閲によって議論の場が奪われるどっかの国とは大違いです。“臭いものには蓋をする”という日本人気質が、確実に審判員の技量向上の足枷になっていることをどうして分からないんでしょうか。

あ、日本人って言っちゃったね(by川淵www)。

形ばかりの研修をして、杓子定規に国際ルールを守ることばかりを奨励しているから、プレーから連続性が奪われ、その割にジャッジの基準が共有化されていないから、審判によって判定がマチマチで選手は混乱する。はっきり言って、レベルが低過ぎる。よく、「技術的には日本人の審判は決して低くない」と海外から来た審判が言う。その技術ってのは、フォームとか体力とか、基礎の基礎だけなのでは?欧州の主要リーグを裁く審判と比較すると――スペインの審判は日本と大差なし――明らかに見劣りする。それはきっと判断力とか、ゲーム展開の見極め、選手の心理面のケアといった、目に「見える形では表れない技術」の差なのだろう。日本人の性質的に、審判のミスジャッジをメディア総出で叩くということはできないのかもしれない。しかし、もはやそこまで突き詰めない限り、劇的に改善されることは期待しにくいのだが・・・。
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コメント

良くない評判ばかり聞くイタリアサッカー界ですが、
審判に関しては高評価なんですね。
コッリーナさんはさすがの私でも知ってますが、
他にも優秀な審判がいらっしゃったとは。

対して日本の方は仰るとおりでございまして・・・。
秋春制やベストメンバー規定にご執心の「お犬様」も、
もっとこちらの方にそのエネルギーを費やして欲しいですね(苦笑)

<追記>
ちょっと話題がそれているのですが、またも暁さんの記事にリンクを勝手に貼らせていただきました。
もしご都合が悪ければ、ご一報くださいませ・・・。
http://blogs.yahoo.co.jp/h005013b/59002219.html

こと審判にかけては

>どらぐら様

イタリアに並ぶ国はありませんね。幾多の優秀な審判を輩出しています。もっとも、賄賂で“転んだ”最低な審判も過去にはいますが・・・。

日本の場合、隠蔽体質というか批判を許さない体質というかが明らかにマイナスに働いてますよね。審判を批判する記事が検閲されるなんて考えられません。

犬飼氏は自分の主張を通すことだけに熱心で、広くフットボールを見渡すことはできないようですね。情けない。。。

リンクの件は、いつでもどういう形でも使ってやって下さい。そもそも、この記事の大本はフットボリスタなわけですし(苦笑)。片野道郎氏って、個人的に凄い好きなんですよね~。

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