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07 | 2021/08 | 09

【加筆】大会連覇へばく進。カナリアの歌を止めたセレステ・イ・ブランコ 

カナリアは謳い、セレステ・イ・ブランコは太陽に映える──。ともに世界一、二を争う超優良輸出国。その“資源”に限りなく、世界中の勢力図は彼らの到来とともに塗り替えられる。外へ外へと流れ往く宿命(さだめ)故か、愛国心──其は郷愁か──の高さも他の追随を許さない。時にはクラブを敵に回し、遠距離を厭わず、我先にと祖国へ集う。いつの時代も変わらぬ、永遠不変の遺伝子。何から何までそっくりな似た者同士が、4年に1度、世界で1つだけ与えられる金色のメダルを渇望し、中国の地で激突した。

お互いに卓越したボールキープ力と打開力を有するだけに、試合は攻守がめまぐるしく移り変わるアグレッシブな展開となった。自陣でゆったりとボールを回し、相手のポジションをずらしてギャップを探ると、アタッキングサードから急加速。飛び込んでくればスルーパスで交わし、間合いを取られれば鋭いミドルシュートを放ちゴールマウスに肉薄する。ボールホルダーにはすぐさま身体をぶつけ、前を向かせない。容赦ないハードタックルは、敵を地べたへ叩き付けた。プライドを懸けた“戦闘”に、ゴール付近の熱量はあっという間に沸点へと達した。

先にチャンスを迎えたのは構成力で勝るアルゼンチン。12分、ペナルティーエリア内へ侵入したアグエロが巧みな切り返しでDFを交わし、フリーでシュートを放つが、これは惜しくも右へ外れる。

アルゼンチンは、その後も独力でゴールを陥れられるリケルメ、メッシー、アグエロのトライアングルへ積極的にボールを集め、ペナルティーエリア内へ幾度となく進撃。41分には左サイドからDF3人を上体フェイントでスキップしたメッシーがグラウンダーで狙うも、GKレナンが必死にブロックした。

一方のブラジルも、ロナウジーニョを起点に反攻。左サイドでボールを持ったロナウジーニョから右サイドのラフィーニャへと渡り、シュート気味のクロスを入れた前半19分は、誰かが触れば1点というシーンだったが、ボールはゴールラインを割った。

メッシーのドリブルに手を焼き、ややアルゼンチンに押され気味となったブラジルだが、ペナルティーエリア内に人数をかけて得点を許さず、両サイドアタッカーとFWソビスのスピードを生かす裏のスペースへのパスでカウンターに繋げる。ただ、“詰め”の精度を欠いて決定的なチャンスはつくれない。

前半は0-0で折り返したが、危うい均衡状態にはゴールの予感が濃密に漂っていた。

そして迎えた後半、いきなり試合が動く。

52分、エリア左でフリーでボールを持ったディマリアの速いクロスにアグエロが猛然と走り込み、胸でプッシュ。アルゼンチンが先手を奪う。

直後の54分にはソビスのミドルシュートがアルゼンチンゴールを脅かすも、GKロメロが辛うじて触れ、ボールはポストに当たって跳ね返った。

ピンチを逃れたアルゼンチンは57分、メッシーがペナルティーエリア内でDFを引き付けて右サイドのガライへはたくと、グラウンダーのクロスをノーマークのアグエロが合わせて追加点。準決勝までノーゴールだったアグエロの2得点でライバルを引き離したアルゼンチンは、75分にもメッシーが倒されてPKを獲得。“王様”リケルメがブラジルを奈落の底へと沈める一撃を冷静に叩き込むと、カナリアはついに歌うのを止めた。

屈辱に我を忘れたルーカスとチアゴ・ネービスが悪質なタックルで退場するなど、最後は自らのプライドすら汚したブラジル。負けてはならないライバルに、完膚無きまでに蹂躙され、大会を去る。ドゥンガ監督の解任どころか“未来”をも暗く閉ざす大敗に、カナリア軍団はただうなだれるしかなかった。

唯一最大のライバルを圧勝で駆逐したアルゼンチンは、意気揚々と決勝の地・北京へ向かう。連覇へ、もはや死角なし。ブラジルが未だかつて手にしたことのない金メダルは、もうすぐそこにある。





---------- キリトリ -----------

<アルゼンチン五輪代表>

・スターティングメンバー

GK 18 セルヒオ・ロメロ
DF 2 エセキエル・ガライ
DF 3 ルシアノ・モンソン
DF 4 パブロ・ザバレタ
DF 12 ニコラス・パレハ
MF 5 フェルナンド・ガゴ
MF 10 フアン・リケルメ
MF 11 アンヘル・ディマリア
MF 14 ハビエル・マスケラーノ
FW 15 リオネル・メッシー
FW 16 セルヒオ・アグエロ

・ベンチ入り選手

GK 22 ニコラス・ナバーロ
DF 6 フェデリコ・ファシオ
MF 7 ホセ・ソサ
MF 8 エベル・バネガ
FW 9 エセキエル・ラベッシ
FW 13 ラウタロ・アコスタ
FW 17 ディエゴ・ボナノッテ

恐らくこのメンバーに勝てるフル代表は世界で一握りのはず。それくらいの豪華メンバーです。スタメンに名を連ねた中で覚えていて欲しいのは、ガライ、ガゴ、リケルメ、マスケラーノ、メッシー、アグエロあたり。控えのバネガもバレンシアが大金をはたいて連れてきた優秀な選手(今季はA・マドリーにレンタル移籍)。彼の場合、テレフォンセ●クスが全世界に配信されてしまった過去がありますが(苦笑)。

ともかく、ガライは09/10シーズンからR・マドリーへの加入が決まっている(と報じられているが真相不明)逸材ですし、マスケラーノはリバプールのレギュラー、ガゴはR・マドリーの主力、他のメンバーは言うに及ばずですね。アグエロはマラドーナの娘と婚約したのでも有名。個人的にはディマリア、サバレタも今後大きく成長すると睨んでます。彼らの勇姿は、海外のフットボールを追い続けていれば自然と目にすることでしょう。

<ブラジル五輪代表>

・スターティングメンバー

GK 12 レナン
DF 2 ラフィーニャ
DF 3 アレックスシルバ
DF 6 マルセロ
DF 14 ブレノ
MF 5 エルナネス
MF 7 アンデルソン
MF 8 ルカス
MF 10 ロナウジーニョ
MF 15 ジエゴ
FW 17 ラファエルソビス

・ベンチ入り選手

GK 1 ディエゴアウベス
DF 4 チアゴシルバ
DF 13 イルシーニョ
MF 11 ラミレス
MF 16 チアゴ・ネーヴィス
FW 9 パト
FW 18 ジョー

こちらもアルゼンチン代表に負けず劣らずのスーパースター&スーパースター候補が大集合。ラフィーニャはフル代表でも通用する右サイドバックで、マルセロはR・マドリーの左サイドバック(フル代表デビュー済み)、アンデルソンはマンチェスター・ユナイテッドの主力、ルーカスは全年齢の代表でキャプテンを務めてきた「ファルカン2世」、ロナウジーニョは誰もが知る世界最高のテクニシャン、ヂエゴはブンデスリーガ最高のファンタジスタ。控えにも神童と呼ばれるパト、今夏にマンチェスター・シティへ30億円超で移籍したジョーもロシア・プレミアリーグでゴールを量産した逸材です。そうそう、途中出場して退場したチアゴ・ネーヴィスはベガルタ仙台にいたんですよ。

未だかつて金メダルを手にしたことがないブラジルが、悲願成就のために世界中から集めたメンバーでした。監督はフル代表のドゥンガ自らが務めましたしね。モチベーションも並々ならぬものがあり、「今回こそ」という気迫も窺えましたが、決めるべき時に決められなかった。というよりも、メッシーのパフォーマンスが凄すぎました。ブラジル代表のディフェンスラインは決して弱くないんですよ。それを一人で2枚も3枚も引き剥がすんだから手に負えない。現代のフットボールにおいては、「1人で試合を決められる選手なんて存在しえない」と言われてますが、アルゼンチンに存在したわけです。このレベルであれだけ突出したパフォーマンスを見せられるなんて…メッシーの底を私自身も見誤っていました。

決勝のカードは、イタリアを破ったベルギーを4-1で粉砕したナイジェリアとアルゼンチン。ナイジェリアの身体能力は、ここにきてフル活動を開始したようですが、昨日の内容を持続できればアルゼンチンに負ける要素はありません。
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コメント

黄金のカード

だったわけですが、結局地上波では観られませんでした(苦笑)
ネットなら、と思ったのですが、
いつも頼りにしてるサイトには、リストすらなく。

しかし、アルゼンチン強いわ^^;
ドゥンガは責任問題に発展したりするんですかね?

BS-1でしたね

>どらぐら様

日本人が出場していない競技の扱いは酷いですからね(苦笑)。いつになったらバスケの米国を観られるのやら。。。

五輪は放映権がかなり厳しいので、さすがにネットでも難しかったのでしょうか。その辺りも五輪への関心低下を招いている気もしますが。

ドゥンガは「いつクビが飛んでもおかしくない」というか「今すぐクビを切れ」という状況みたいです。ブラジルだけでは監督をやりたくないですね。。。

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