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12 | 2010/01 | 02

【完成】インテル、“個の輝き”でスクデットへ前進 

174th Milano Derby

Inter 2-0 Milan

'10 Milito

'65 Pandev

※ハイライト動画は、上の「174th Milano Derby」をクリック。

---------- キリトリ -----------

鮮やかなミリートの先制点、スナイデルの軽率過ぎる退場、防戦一方の苦しい時間帯からチームを引き上げたパンデフの追加点、そして試合終了間際のPKストップをはじめ、再三再四の好セーブを見せたジュリオ・セーザル。28分という早い時間から10人での戦いを強いられ、特に後半は大半の時間を自陣に押し込められながら、インテルは“個の輝き”で勝ち切った。

インテルに“勝者のメンタリティ”が――かつての両者の立場とは真逆に――備わっていることは、改めて証明された。数的不利でもカウンター一発でFKを奪い、これを直接決めて追加点を挙げるという、理想的な点の取り方。タイトルを獲れるチームの勝ち方だ。

今冬に加入したパンデフが、すんなりとチームにフィットし、大舞台でも“働ける”ことを証明したのも今後に繋がる。スピードがあり、ボールを収められ、優れたテクニックを持つパンデフは、インテルの最大の武器である「カウンター」の威力をさらに高めた。これでFKも巧いというのだから、良い買い物をした(しかも、フリー移籍のため違約金を払わずに済んだ)。

しかし一方で、浮き彫りになった課題もある。低い位置にラインを構え、多くの人数をゴール前に割きながら、サイドからのクロスやディフェンスラインの裏へのボールに後手を踏み、危険な場面をつくられ続けた。ロナウジーニョの個人技に翻弄され、ボリエッロに高さと強さで劣勢を強いられた守備陣の“脆さ”は、チャンピオンズリーグを見据えた時に不安材料となる。ジュリオ・セーザルに“当たり”が戻ってきたのが、せめてもの救いか。

2位を直接叩き、勝ち点差を9に広げた(ミランは1試合少ない)が、スクデットとビッグイアーの2冠制覇に向けてまだまだ修繕すべき“欠陥”は少なくない。

---------- キリトリ -----------

ここからは雑感。

大半の時間を10人で戦い、幾度となく失点の危機を迎えながら、“耐え切った”のは、チャンピオンらしい風格でした。2点目を奪えたのも、スナイデルが退場した後も2トップを維持し(4-3-2に見えた)、カウンターを狙い続けた積極策の賜物です。パンデフとミリートのコンビは、期間からすればまだ“若い”はずなのに、熟成されたワインのような滑らかさがあり、「2人でも何かしてくれるのでは」という期待感を抱けました。

ただ、本文中にも書きましたが、攻守の切り替え時のミスやリトリートばかりの守備は冷や冷やものでした。「10人だから」というエクスキューズが付くにしても、奪ってからの縦パスはことごとく引っかかり、右サイドバックはロナウジーニョに押し込まれ、左サイドバックはベッカムに鋭く正確なクロスを通されるというのでは、普通なら到底持ちこたえられません。幸運にも、GKのジュリオ・セーザルは出色のデキで、PKをはじめ際どいシュートを全てストップしてくれましたが、そう何度も“女神”は微笑んでくれません。1人少ないため、どうしてもペナルティエリア直前にブロックをつくりたくなる気持ちは分かりますが、もう少し高い位置から連動してプレスをかけ、自由にクロスやスルーパスを出させない守備が求められるはずです。

それにしても、ベッカムのクロス精度というのは恐ろしいですね。DFに寄せられていて、態勢が悪くても、ピンポイントで合わせてくる。スピードがないため、単独突破はできませんが、どこからでも味方へ合わせられるクロスは脅威。加齢による運動量の低下は見られず、攻守によく走りますし、今後もミランの重要なパーツとなることでしょう。

また、ロナウジーニョは間違いなく調子を上げてきていますね。低迷期は、身体が重いためフェイントにキレがなく、全く抜けそうにありませんでしたが、ここ数試合は見違えました。足元だけでなく、上半身を揺らすモーションも素早く、マーカーは迂闊に間合いに飛び込めない。深い位置まで切れ込んで、そこからシュートやパスを放つ姿は、ありし日の躍動感を思い出させました。

それから、ボリエッロ。不遇の時期を超えて、いよいよミランの前線で存在感を発揮し始めました。打点の高いヘッド、アタッキングサードでの力強さ。プリマプンタのファーストチョイスとしての立場を認めさせる、パフォーマンスでした。

最後に。

試合中に倒れ、亡くなった男性に、謹んで追悼の意を表します。
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